社員インタビュー
技術開発本部 機器製造部 機器設計課
Profile
国立大学大学院の理学系修士課程を卒業後、大手メーカーで自動車部品の金型設計に従事。2020年にビードットメディカルへ入社し、超小型陽子線がん治療装置の要となる「照射角度調整電磁石」の設計に携わっている。
成長性のある企業でものづくりができる
ものづくりが好きで、自分の考えたことが形になる仕事がしたいと思い、学生の時から技術職を就職活動の軸としていました。
前職である最初の就職先は電気機器メーカー。自動車に使用する樹脂成形品の金型設計に携わっていました。念願だったものづくりの仕事で、当初は新規製品の開発や立ち上げに関われたことにとてもやりがいを感じていました。
その一方で、他社と競合した際、技術よりもコスト勝負になり、人件費の安い海外メーカーに流れてしまうことも多々ありました。「技術を磨いても、日本国内では金型は先細りなのではないか」、「長くこの会社で働いていけるのか」。そういった将来に対する不安をだんだんと感じるようになりました。また、前職では若いうちに管理職に上がっていくキャリアパスが一般的でしたが、もうしばらくは設計者として自分で手を動かして、ものづくりに関わりたい気持ちも強く、「新たに成長性のある企業で、設計者としてスキルアップしたい!」そんな想いで思い切って転職に踏み切りました。
転職活動では様々な業界のメーカーさんとお会いしましたが、当時創業間もないビードットメディカルと出会い、社長の古川をはじめ創業メンバーと話を重ねていく中で、ビードットメディカルであれば製品の開発段階からものづくりができ、さらには設計や製造、評価試験など幅広い業務に携わることができるので、設計者としてのキャリアアップにも繋がりそうだと感じました。また、医療機器のスタートアップ企業ということで、製品の社会貢献性の高さや、経営陣との距離の近さから来る風通しの良さにも背中を押されて、ビードットメディカルへの入社を決意しました。
失敗を恐れず、まずはやってみようという精神
スタートアップである当社は開発中の装置はもちろん、会社の仕組みもまだまだ作り上げていく段階です。私が入社した頃は、社内のルールだけでなく、製造に必要な工具さえもこれから揃えるところ。前職では設計・製造のフォーマットやノウハウが存在し、社内の仕組みも整備されていたので、正直なところギャップに驚きましたし、入社して以来、「まずはやってみる」というゼロイチの挑戦もたくさん経験してきました。
今でもよく覚えているのが、入社後最初に任された陽子線がん治療装置に必要不可欠な超伝導コイルの設計業務です。超伝導コイルは、装置の小型化を実現する「照射角度調整電磁石」のパーツの一つで、陽子線ビームを曲げる機構のカギとなります。
超伝導にかかわる設計を実際に行うのは初めてだったので、念入りに予習して取り組みましたが、実際に製造段階に入って分かることも多く、上手くいかないことも幾度となくありました。そんな時に実感したのが、「失敗を恐れず、成長を楽しむ心を」という当社バリューの重みです。もちろん失敗はしないに越したことはないのですが、ゼロから装置を生み出す過程ではどうしても正解が分からない中で実践しなければならない場面が数多くあります。
個人的な感覚ですが、失敗を恐れずに挑戦ができる環境は、意外と少ないのではないかと思っています。当社は上手くいかないことがあっても、それ自体を咎めることはなく、失敗から学ぼうというマインドがあります。私も、そんな雰囲気の中で、未経験の設計であっても勉強したり周囲に相談しながら進めるうちに、何に対しても「恐れずに、まずはやってみよう」という姿勢が当たり前になりました。
クライオスタットの知見を深めて、更に別の装置設計までスキルの幅を広げたい
現在はクライオスタットという、超伝導現象を起こすに至る超低温までコイルを冷却する装置の設計を行っています。大手の会社であれば、一人の社員が設計を担当するのは装置の中の1パーツだと思いますが、当社では装置全体の設計に携われており、これはビードットメディカルでしか経験できないことだと思っています。図面を読み、描くというこれまで培ってきたスキルと、材料物性の知識を活かしながら、経験の幅が広げられていることを実感しています。
また、クライオスタットの設計も私にとっては新たなチャレンジです。低温時に物性がどのように変化するのか、学術的な知識を吸収しつつ取り組んでいます。ヘリウムガスや液体窒素などを扱う事が増え、高圧ガスの専門知識を身につけたいと思い、先日「高圧ガス製造保安責任者」の資格も取得しました。
これからの目標は、まずクライオスタット設計の知見をもっと深めていくこと。そして、クライオスタットだけを極めるのではなく、スキャニング電磁石などにも携わり、当社の陽子線がん治療装置を構成する機構に精通した設計のプロになりたいです。
一日のスケジュール
- 08:30
- 起床
- 09:30
- 業務開始
打合せなどの予定を確認し、一日のスケジュールを決める - 10:00
- メールチェック
- 10:30
- 課内定例ミーティングの準備
- 11:00
- 課内定例ミーティング
クライオスタット設計の進捗や課題の報告、相談を行う - 12:00
- ランチ
- 13:00
- 設計業務
3DCADや2DCADを使用して部品のモデルを作成し、干渉チェックや加工業者に提出する加工図面を作成する - 16:00
- 加工業者との打ち合わせ
図面を見ながら、加工が可能か、コストダウンの改善点等を話し合う - 17:00
- 発注業務
加工業者から入手した見積書を基に発注書類を作成し、上長に提出 - 18:00
- 工程作成
設計から部品加工、組立、検査、出荷までの工程表を作成する - 19:00
- 終業
応募をご検討中の方へメッセージ
失敗を恐れず、前へ進むためにどんどんチャレンジしていく会社です。進んで失敗したい人はいないとは思いますが、縮こまらずに飛び込んでいける人、そして万が一失敗してしまっても、他責思考にならず誠実に向き合い、原因を探して改善していける人とぜひ一緒に仕事をしたいと思います。もちろん、不安に思うことはなんでも相談してください。ビードットメディカルはこれから更に大きくなりますので、会社と共に成長していきましょう!