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超小型陽子線がん治療装置「 Phemto®」 の薬事承認を取得

 株式会社ビードットメディカル(本社:東京都江戸川区 代表取締役社長:古川卓司 以下ビードットメディカル)が開発した、超小型陽子線がん治療装置「Phemto®(フェムト)」について、厚生労働省より2023年11月29日に医薬品医療機器等法に基づく医療機器製造販売承認を取得しましたのでお知らせ致します。*

画像:超小型陽子線がん治療装置 Phemto® 
 
 
■小型化の基盤となる新しいガントリー構造:Magnetic Gantry™(磁気式ガントリー™)
 Phemto®(フェムト)はビードットメディカルが開発した超小型陽子線がん治療装置です。X線治療装置(LINAC)と同程度にまで小型化することをめざし、超伝導電磁石を使って陽子線のビームを自在に曲げる、ビードットメディカル独自開発のMagnetic Gantry™(磁気式ガントリー™)を採用しています。

 ビードットメディカル代表取締役社長の古川卓司は次のようにコメントしています。 「当社の独自技術であるMagnetic Gantry™(磁気式ガントリー™)に対して、薬機法に基づく承認をいただくことが出来ました。2019年から開発を始めて4年になりますが、医療機器として製造販売を承認いただいたことは、当社のようなディープテック・スタートアップにとって重要なマイルストーンです。今後もさらなる技術開発を通じ、陽子線治療の普及促進に挑み続けます。」

■製品概要
一般的名称:    粒子線治療装置
販売名:      陽子線照射装置 Phemto フェムト
医療機器承認番号: 30500BZX00274000
 

■陽子線治療について
 陽子線治療は、X線治療に比べて、腫瘍周囲の正常な組織や臓器へのダメージを低減することが期待できます。そのため日常生活を大きく変えることなく、働きながらのがん治療が可能になるなど、患者さまのQOL向上が見込まれます。

 しかし、陽子線治療は、現在ごく一部の患者さましか受けられておらず、X線治療のように広く普及しているとは言えません。普及を妨げる原因は巨大で高額な装置にあり、病院への導入には高額な初期コストと十分な設置スペースが必要であることから、世界で113施設しかなく、X線治療に比べ圧倒的に施設数が少ないのが現状です。(2023年10月時点 当社調べ)

 ビードットメディカルは、陽子線治療の普及を目指して従来に比べ圧倒的にコンパクトな超小型陽子線がん治療装置「Phemto®(フェムト)」を開発しました。独自の技術で装置をX線治療装置(LINAC)と同程度のサイズにまで小型化し、これまで陽子線治療の導入が困難であった都市部や、コストを理由に検討を断念していた病院への導入を促進することで、施設数の大幅増加に貢献していきます。
 
*海外での臨床利用には各国の当局による承認・許可が必要です。
 
 
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