株式会社ビードットメディカル(本社:東京都江戸川区 代表取締役社長:古川卓司 以下ビードットメディカル)は、放射線治療に革新的なソフトウェアソリューションを提供するRaySearch Laboratories AB (publ) (本社:スウェーデン ストックホルム 以下、レイサーチ)と戦略的パートナーシップ契約を締結しました。この業務提携において、ビードットメディカルの超小型陽子線がん治療装置とRaySearchの治療計画装置およびがん情報システムとの統合を開発・検証することで、陽子線治療の発展を目指します。
ビードットメディカル 代表取締役社長の古川卓司と、レイサーチ CEOのヨハン・レフ氏
(2023年6月13日 スペインで開催中のPTCOGにおける調印式)
レイサーチは、世界で100以上の病院に放射線治療計画システムを提供するグローバル企業です。今回同社はビードットメディカルの陽子線治療装置による治療計画を最適化するためのソフトウェアソリューションの開発に取り組みます。
ビードットメディカルは、コンパクトなサイズでありながら高速スキャニング照射や呼吸同期照射などの高精度照射を実現する、超小型陽子線がん治療装置を開発しています。ミッションとして掲げる「PROTON for everyone 陽子線がん治療を世界中に」は、世界中の患者さまの生活の質を向上させるために、高品質な陽子線治療を提供するという強い信念に基づいています。
今回の提携により、レイサーチの広範なグローバルネットワークとビードットメディカルの画期的な陽子線治療装置を組み合わせることで、各々の製品のマーケットポジションを強化しつつ、世界中の幅広い医療施設や地域の患者さまにとって陽子線治療がより身近になることを目指しています。
〈レイサーチ CEO ヨハン・レフ氏のコメント〉
この画期的なコラボレーションにより、ビードットメディカルと協力できることを大変嬉しく思います。両社の専門知識を結集することでイノベーションを促進し、陽子線治療技術の進歩に貢献することができます。私たちはがん治療の成果を向上させ、陽子線治療を世界中の患者さまの身近なものにするため、ともに取り組んでいきます。
〈ビードットメディカル 代表取締役社長 古川 卓司のコメント〉
今回のコラボレーションは、私たちのミッションである「PROTON for everyone」を大きく前進させるものです。レイサーチとの強力なパートナーシップにより、さらなるシステムの最適化と革新的な放射線治療のソリューションの提供が可能となります。放射線治療市場の拡大と、病院への最適な提案に向けて、事業を加速させてまいります。
■陽子線治療とは
陽子線治療は体内深部にある腫瘍をピンポイントで正確に照射するため、腫瘍周囲の正常な組織や臓器へのダメージが少なく、副作用を低く抑えることができます。そのため日常生活を大きく変えることなく、働きながらのがん治療が可能になるなど、患者さまのQOL向上が見込まれます。
■陽子線治療の現状とビードットメディカルの取り組み
陽子線治療は、現在ごく一部の患者さましか受けられておらず、X線治療のように広く普及しているとは言えません。普及を妨げる原因は巨大で高額な装置にあり、病院への導入には高額な初期コストと十分な設置スペースが必要であることから、世界で111施設しかなく、X線治療に比べ圧倒的に施設数が少ないのが現状です(2020年時点)。
ビードットメディカルは、陽子線治療の普及を目指して従来に比べ圧倒的にコンパクトな「超小型陽子線がん治療装置」を開発しています。独自の技術で装置をX線治療装置と同程度のサイズにまで小型化し、これまで陽子線治療の導入が困難であった都市部や、コストを理由に検討を断念していた病院への導入を促進することで、施設数の大幅増加に貢献していきます。
■レイサーチについて
RaySearch Laboratories AB(publ)は、がん治療を改善するための革新的なソフトウェアソリューションを開発する企業です。RaySearchは、治療計画システム(TPS)RayStation®とがん情報システム(OIS)RayCare®を販売しています。RaySearchのソフトウェアは、世界40カ国以上、900以上の病院に導入されています。同社は2000年にストックホルムのカロリンスカ研究所からのスピンオフとして設立され、2003年にナスダック・ストックホルムで上場しました。
(詳細は、raysearchlabs.comでご覧いただけます。)